チョコレート検定の勉強で、テキストを読み込んでいるのに手応えがつかめない。そんなときに効くのが、問題の形で問われてみることです。
読んで分かったつもりの知識と、問われて答えられる知識は別物です。とくにこの検定は数値や年号を問う設問が多く、「なんとなく覚えた」状態がそのまま失点になります。
この記事では、チョコレート検定の練習問題を頻出の考え方にしぼって22問用意しました。全問に解説をつけ、なぜ間違えやすいのかまで書いています。
この問題集の使い方と、はじめにお断り
先にひとつ、はっきりさせておきます。
ここに掲載しているのは公式の過去問題ではありません。 主催者が過去問を公開していないため、公式テキストが扱う範囲のうち、混同されやすい論点・数値を問われやすい論点を、こちらで問題の形に組み直したものです。本番の出題形式や配点をそのまま再現するものではない点をご承知おきください。
そのうえで、使い方としては次の順序をおすすめします。
チョコレート検定の練習問題は、次の順序で使うのが効果的です。
- まず解く(テキストを見ずに)
- 答え合わせをして、間違えた問題の解説だけを読む
- 該当分野をテキストで復習する
- 数日おいて、間違えた問題だけ解き直す
最初から解説を読んでしまうと「知っていた気」になります。間違えることに意味があるので、分からない問題は飛ばさず、当てずっぽうでもいいので答えを決めてから進んでください。
検定そのものの概要、級ごとの難易度や合格率、勉強スケジュールの立て方はチョコレート検定とは?難易度・勉強法・合格率を徹底解説にまとめています。まだ受験を決めかねている段階なら、そちらを先に読んでください。
第1章|歴史(○×・全5問)
歴史分野は年号と人名がそのまま問われるため、覚えていれば確実に取れる得点源です。逆に曖昧なままだと落とします。
Q1. イギリスのジョセフ・フライは、固形チョコレートを発明した。○か×か。
答え:○
1847年、イギリス西部の港町ブリストルで、ジョセフ・フライ(J.S.フライ&サンズ社)が世界初の食べる固形チョコレートを生み出しました。ココアパウダーと砂糖に、溶かしたココアバターを混ぜ戻すという手法が突破口になっています。
それ以前のチョコレートは、すりつぶしたカカオを湯や水に溶かして飲むものでした。「チョコレートは長いあいだ飲み物だった」という前提を押さえておくと、歴史分野は一気に整理しやすくなります。
Q2. 日本でチョコレートについて記された最初の資料は、1797年のものである。○か×か。
答え:○
1797年(寛政9年)、長崎の遊女「大和路」が受け取った品の記録に「しょくらあと」という表記が残っています。これが日本におけるチョコレートの最初の史料とされています。
Q3. 日本にチョコレートが伝わったのは、江戸時代である。○か×か。
答え:○
Q2の1797年は江戸時代にあたります。明治時代と混同しやすいのですが、伝来は江戸、普及は明治以降と段階を分けて覚えてください。
なお、さらに古い説として1617年の支倉常長の記録もありますが、こちらは諸説あります。詳しくは日本のチョコレートの歴史|最初に食べた人は誰?で扱っています。
Q4. ベルギー人が世界で初めて発明したとされる、チョコレートに関するものは何か。
答え:プラリネ
1912年、ベルギーの首都ブリュッセルで、ジャン・ノイハウスが考案しました。チョコレートの殻の中にガナッシュやナッツペーストを詰めた、あの一粒チョコレートのことです。
ベルギーチョコレートが世界的に評価される土台には、この発明があります。詳細はベルギーチョコの特徴は?「プラリネ」発祥の地の歴史と魅力へ。
Q5. 日本で最初に板チョコレートが製造されたのは、1878年である。○か×か。
答え:×
1878年は、米津風月堂が日本初のチョコレート「貯古齢糖(ちょこれいと)」を売り出した年です。板チョコレートの製造は1909年、森永によるものでした。
この2つは年号も主体も違うため、入れ替えて出題されやすい組み合わせです。「1878年=日本初のチョコレート」「1909年=日本初の板チョコ」と分けて覚えてください。
第2章|製造工程(○×・全5問)
工程の分野は、順番とその工程の目的が問われます。名前を覚えるだけでは足りません。
Q6. チョコレートの原料となるカカオ豆には、発酵の工程がある。○か×か。
答え:○
カカオ豆は収穫後に発酵させます。チョコレートらしい香りのもとは、この段階で生まれます。発酵を経ていない豆からは、あの香りは出てきません。
Q7. カカオ豆の発酵は、工場に運び込んでから行われる。○か×か。
答え:×
発酵は収穫した産地の農園で行います。工場ではありません。理由は二つあり、収穫後すぐに処理しないと豆が傷むこと、そして発酵と乾燥を終えてからでないと長距離の輸送に耐えないことです。
「農園で行う工程」と「工場で行う工程」の線引きは頻出です。収穫・発酵・乾燥までが農園、選別以降が工場と覚えてください。
Q8. テンパリングは、カカオバターの結晶を安定させる工程である。○か×か。
答え:○
ココアバター(カカオバター)は、同じ成分でありながら複数の結晶の形をとります。放っておくと不揃いなまま固まってしまうため、温度を上げ下げして望ましい結晶に揃えます。これがテンパリングです。
結晶が揃うと、つやが出て、割ったときにパキッと折れ、口溶けもよくなります。揃わないと白く粉をふいたようになるブルーム現象が起こります。
Q9. チョコレートの製造工程において、テンパリングは温度調整のことである。○か×か。
答え:○
テンパリングは実際に温度を上げ下げする作業なので、「温度調整」という説明は正しいものです。
ただしQ8と合わせて理解してください。温度を変えること自体が目的ではなく、結晶を安定させるための手段が温度調整です。「温度調整である」も「結晶を安定させる工程である」も、どちらも○になります。ここで迷った人は、目的と手段が整理できていません。
Q10. コンチングは、テンパリングのあとに行われる工程である。○か×か。
答え:×
順序はコンチング → テンパリングです。逆にはなりません。
コンチングは長時間練り続けてなめらかさと香りを整える工程、テンパリングはそのあとに温度を調整して固め方を決める工程です。練って質を整えてから固める、という流れで覚えると間違えません。
工程全体の流れはチョコレートができるまで|カカオ豆から板チョコになる12の工程で図解しています。
第3章|日本の規格(○×・全4問)
数値が問われる、いちばん差がつく分野です。ここは丸暗記が効きます。逆に言えば、覚えていなければ確実に落とします。
Q11. 日本の規格で、準チョコレート生地のココアバターは10%以上である。○か×か。
答え:×
正しくは3%以上です。準チョコレート生地の基準は、ココアバター3%以上、カカオ分15%以上、脂肪分18%以上と定められています。
「10%」という数字は規約のどこにも出てこないため、見かけたら誤りと判断できます。
Q12. 日本の規格で、純ミルクチョコレート生地の乳固形分は14%以上である。○か×か。
答え:○
ミルクチョコレート生地の基準は、カカオ分21%以上(うちココアバター18%以上)、乳固形分14%以上(うち乳脂肪3%以上)、水分3%以下です。
Q13. 準チョコレート生地のカカオ分は、15%以上と定められている。○か×か。
答え:○
Q11と合わせて、準チョコレート生地の3つの数値をセットで覚えてください。
| 項目 | 準チョコレート生地の基準 |
|---|---|
| ココアバター | 3%以上 |
| カカオ分 | 15%以上 |
| 脂肪分 | 18%以上 |
Q14. 「生チョコレート」には、日本独自の表示上の決まりがある。○か×か。
答え:○
生チョコレートは日本で生まれた菓子で、公正競争規約に名乗るための条件が定められています。海外には対応する区分がありません。
チョコレートと準チョコレートの分類全体は「チョコレート」と「準チョコレート」の違いに、生チョコの規格は「ガナッシュ」とは?生チョコとの違いを解説にまとめています。
第4章|種類・品種(全4問)
Q15. 次のうち、カカオ豆の品種でないものはどれか。
答えの考え方:三大品種はクリオロ種・フォラステロ種・トリニタリオ種の3つ
この形式では、3つのうちどれかに紛らわしい語を混ぜて出題されます。この3つを確実に言えるようにしておけば、残りが答えになります。
選択肢に紛れやすいのは、産地名(ガーナ、エクアドルなど)、ブランド名、そして加工品の名前です。
Q16. 世界の生産量でもっとも多いカカオの品種はどれか。
答え:フォラステロ種
世界の生産量の80〜90%を占めます。育てやすく病気に強いことが理由です。
ここで注意したいのは、シェアが大きいことと品質が低いことは別だという点です。エクアドルの最高級アリバ香で知られるナシオナルも、伝統的な分類ではフォラステロに含まれます。詳しくはカカオ豆の品種の違いと特徴へ。
Q17. ルビーチョコレートは、チョコレートにイチゴを混ぜ込んだものである。○か×か。
答え:×
ルビーチョコレートのピンク色は、ルビーカカオ豆に由来する天然の成分によるものです。着色料もイチゴも使っていません。
見た目と酸味からイチゴ入りと誤解されやすく、そこを突く設問になっています。仕組みはルビーチョコレートとは?着色料なしでピンクになる仕組みで解説しています。
Q18. ホワイトチョコレートには、カカオマスが使われている。○か×か。
答え:×
ホワイトチョコレートはカカオマスを使いません。ココアバター・砂糖・乳成分で作られます。チョコレートの茶色はカカオマスに由来するため、それを外せば白くなる、という関係です。
ただしココアバターはカカオ由来の成分なので、カカオを使っていないわけではありません。「カカオの脂肪分だけを使ったチョコレート」と捉えると正確です。
第5章|用語(全4問)
Q19. トリュフチョコレートの中身などに使われる、チョコレートと生クリームを混ぜて作る製菓用の材料を何というか。
答え:ガナッシュ
フランス語の ganache から来た言葉で、もとの意味は「うすのろ」です。ガナッシュはあくまで中身に使う材料であり、それ自体が完成した菓子を指すわけではありません。
Q20. 丸めたガナッシュをコーティングし、ココアパウダーをまぶしたひと口大のチョコレートを、ある食材に例えて何というか。
答え:トリュフ
見た目と表面の質感が、地中に育つきのこのトリュフに似ていることが名前の由来です。「ある食材に例えて」という言い回しが出たら、きのこのトリュフを思い出してください。
同じガナッシュから、四角く切ってココアパウダーをまぶせば生チョコに、丸めてコーティングすればトリュフになります。出発点は同じで仕上げが違うという関係です。
Q21. 一人当たりの年間チョコレート消費量が世界でもっとも多い国はどこか。
答え:スイス
一人当たり年間9.8kg。日本の約2kgと比べると、およそ5倍にあたります。国別ランキングは世界のチョコレート消費量ランキングで扱っています。
Q22. ベルギー発祥で、王室御用達としても知られる代表的なチョコレートブランドはどれか。
答えの考え方:ゴディバなどベルギー発祥のブランドを選ぶ
この形式では、ベルギー・フランス・スイスのブランドを混ぜて出題されます。国とブランドの対応は、テキストで一覧にして覚えておくと確実です。ゴディバ(GODIVA)はなぜ有名?も参考にしてください。
間違えやすいポイントの総まとめ
22問のうち、とくに落としやすい論点を抜き出します。試験直前はここだけ見直してください。
| 論点 | 正しい理解 |
|---|---|
| 固形チョコレートの発明 | 1847年・イギリス・ジョセフ・フライ |
| 日本への伝来 | 1797年・長崎・江戸時代 |
| 日本初のチョコレート | 1878年(貯古齢糖) |
| 日本初の板チョコ | 1909年(森永) |
| 発酵を行う場所 | 工場ではなく農園 |
| 工程の順序 | コンチング → テンパリング |
| テンパリングの目的 | 温度調整を通じて結晶を安定させる |
| 準チョコレート生地 | ココアバター3%以上・カカオ分15%以上・脂肪分18%以上 |
| ミルクチョコレート生地 | カカオ分21%以上・乳固形分14%以上 |
| ルビーチョコ | イチゴ不使用・着色料不使用 |
| ホワイトチョコ | カカオマス不使用(ココアバターは使う) |
数値は、単独で覚えるよりセットで覚えるほうが定着します。準チョコレート生地なら3つの数値をひとまとまりで、というように束ねてください。
よくある質問(FAQ)
Q. この問題を全部解ければ合格できますか?
保証はできません。本問題集は頻出の考え方を確認するためのもので、出題範囲を網羅したものではないためです。公式テキストの通読と併せて使ってください。
Q. 公式の過去問題はどこで手に入りますか?
主催者による過去問題集の一般公開はありません。そのため対策は公式テキストが中心になります。
Q. 数値はどこまで細かく覚えるべきですか?
規格の分野は、数字がそのまま設問になるため覚えるだけ得点につながります。とくに準チョコレート生地とチョコレート生地の基準値は優先度が高い部分です。
Q. 歴史の年号が覚えられません。
出来事どうしの前後関係で覚えると定着します。「飲み物として日本に伝来(1797年)→ 世界で固形化(1847年)→ 日本で販売(1878年)→ 日本で板チョコ製造(1909年)」という一本の流れにすると、個別の年号も思い出しやすくなります。
Q. どの級を受ければいいですか?
級ごとの難易度と合格率はチョコレート検定とは?難易度・勉強法・合格率を徹底解説で比較しています。
まとめ
チョコレート検定の対策で押さえておきたいのは、次の3点です。
- 読むだけでは足りない。問われる形で確認して、はじめて穴が見つかる
- 数値と年号は得点源。曖昧なままにせず、セットで束ねて覚える
- 工程は順序と目的。名前だけ覚えても、順番や狙いを問われると答えられない
ここまでのチョコレート検定の練習問題で間違えたものがあれば、それは覚え直すべき箇所が見つかったということです。解けなかった分野をテキストで補い、数日おいてもう一度解いてみてください。
チョコレートの知識は、覚えるほど普段の一枚の見え方が変わります。パッケージ裏の表示が読めるようになると、売り場を歩くこと自体が面白くなるはずです。
参考文献
- チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則|全国チョコレート業公正取引協議会
- 準チョコレートとチョコレートの違い|株式会社 明治
- カカオ産業の近代化(チョコレートの4大革命)|日本チョコレート・ココア協会
- チョコレート検定 公式ホームページ
※本記事の練習問題は公式の過去問題ではなく、頻出の論点をもとに独自に作成したものです。試験の実施要項・出題範囲・受験料などの最新情報は、必ず主催者の公式サイトでご確認ください。
