「ダークチョコレートとビターチョコレートって同じ?」「ホワイトチョコレートはなぜ白いの?」「ルビーチョコレートって何?」
チョコレートが好きでも、種類の違いをきちんと説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、チョコレートの種類を「原材料」「形状」「製菓用途」「日本の規格」の4つの軸で徹底解説します。ダーク・ミルク・ホワイトの基本から、近年話題のルビーチョコレート、ブロンドチョコレートまで、チョコレートの「教科書」として使える完全ガイドをお届けします。
【原材料で分類】5大チョコレートの違い
チョコレートは、使用する原材料によって大きく5種類に分類できます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ダークチョコレート(ビターチョコレート)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 別名 | ビター、スイート、ブラック、プレーン |
| カカオマス | 40〜60%以上 |
| ココアバター | 含む |
| 乳製品 | 含まない、または少量 |
ダークチョコレートは、カカオマスの含有量が高く、カカオ本来の風味を最も強く感じられるチョコレートです。「ビターチョコレート」「ブラックチョコレート」「スイートチョコレート」など、さまざまな呼び方がありますが、基本的には同じものを指します。
乳製品を含まない(または少量)ため、カカオの苦味と深いコクが特徴。カカオポリフェノールを多く含むことから、健康志向の方にも人気があります。
特にカカオ分が70%以上のものは「ハイカカオチョコレート」と呼ばれ、より強いカカオ感を楽しめます。ワインやウイスキーとのペアリングにもおすすめです。
ミルクチョコレート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カカオ分 | 21%以上(うちココアバター18%以上) |
| 乳固形分 | 14%以上(うち乳脂肪3%以上) |
| 誕生 | 1875年 スイス |
ミルクチョコレートは、1875年にスイスで誕生しました。カカオマスに乳製品(粉乳やクリームなど)を加えることで、まろやかで食べやすい味わいに仕上げています。
砂糖の甘味と乳製品のコクがカカオの風味を引き立て、世界で最も消費されているタイプのチョコレートです。明治ミルクチョコレート、ロッテ ガーナ、森永ミルクチョコレートなど、日本人に最も馴染みのある味わいと言えるでしょう。
お子様から大人まで幅広く愛される、チョコレートの王道です。
ホワイトチョコレート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カカオマス | 不使用 |
| ココアバター | 主原料として使用 |
| 乳製品 | 含む |
ホワイトチョコレートは、その名の通り白い(正確にはクリーム色の)チョコレートです。「茶色くないのにチョコレートなの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
なぜ白いのか?
チョコレートの茶色は、カカオマスの色に由来します。ホワイトチョコレートはカカオマスを使用せず、カカオ豆から抽出した白いココアバターのみを使用しているため、白い色になります。
カカオ豆の成分であるココアバターを主原料としているため、れっきとした「チョコレート」の一種です。カカオマスを含まないため苦味がなく、ココアバター、砂糖、乳脂肪の甘さが前面に出た味わいが特徴です。
ルビーチョコレート(第4のチョコレート)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 2017年9月 バリーカレボー社(ベルギー・スイス) |
| 開発期間 | 10年以上 |
| 原料産地 | コートジボワール、エクアドル、ブラジル |
| 着色料 | 不使用 |
2017年に発表され、チョコレート業界に大きな衝撃を与えた「第4のチョコレート」がルビーチョコレートです。
最大の特徴は、着色料を使わずに天然のピンク色を実現していること。ルビーカカオ豆に含まれる独特の成分を、特別な製法で引き出すことで、この美しいピンク色が生まれます。
味わいは、ベリーを思わせるフルーティーな酸味が特徴。ダーク・ミルク・ホワイトのいずれとも異なる、まったく新しい味覚体験を提供します。
バリーカレボー社は、この製法に関する特許を取得しており、10年以上の開発期間を経て商品化に成功しました。
ブロンドチョコレート(第5のチョコレート)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発 | ヴァローナ社(フランス) |
| 商品名 | ドゥルセ(Dulcey) |
| 開発期間 | 8年 |
| 製法 | ホワイトチョコレートをキャラメリゼ |
ルビーチョコレートに続く「第5のチョコレート」として注目されているのが、ブロンドチョコレートです。
偶然の発見から誕生
フランスの老舗チョコレートメーカー・ヴァローナ社のシェフが、製作途中で焙炉(ほいろ)に入れっぱなしにしていたホワイトチョコが、10時間後に美しいブロンド(金色)に変化していたことがきっかけで誕生しました。
ホワイトチョコレートをキャラメリゼすることで、ビスケットやショートブレッドのような香ばしい風味と、ほのかな塩味が生まれます。
商品名「ドゥルセ」は、ラテンアメリカの伝統菓子「ドゥルセ・デ・レチェ」(砂糖と牛乳をゆっくり加熱した亜麻色のキャラメル)に由来しています。
【比較表】5大チョコレートの違いを一目で理解
5種類のチョコレートの違いを、一覧表で確認してみましょう。
| 種類 | カカオマス | ココアバター | 乳製品 | 色 | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ダーク | 40-60%+ | ○ | × | 濃い茶色 | 苦味・深いコク |
| ミルク | 20-40% | ○ | ○ | 茶色 | まろやか・甘い |
| ホワイト | × | ○ | ○ | 白〜クリーム | 甘い・苦味なし |
| ルビー | ○(特殊製法) | ○ | △ | ピンク | フルーティー・酸味 |
| ブロンド | × | ○(キャラメリゼ) | ○ | 金色 | ビスケット風味・塩味 |
【形状で分類】トリュフ・プラリネ・ボンボンの違い
チョコレートは、形状によっても分類されます。「トリュフ」と「プラリネ」の違いなど、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。

タブレット(板チョコ)
最も一般的なチョコレートの形状が「タブレット」、いわゆる板チョコです。英語では「チョコレートバー(a bar of chocolate)」とも呼ばれます。
板チョコには溝(みぞ)が入っていますが、これは割りやすくするためだけではありません。製造過程でチョコレートを効率よく冷やすための役割も果たしています。
ボンボン・ショコラ
「ボンボン・ショコラ」は、フランス語で一口サイズのチョコレートの総称です。「ボンボン・オ・ショコラ」とも呼ばれます。
外殻(シェル)の中にガナッシュやナッツペーストなどのフィリング(中身)を詰めた小さなチョコレート菓子で、立方体、球形、ハート型などさまざまな形状があります。
トリュフやプラリネも、広い意味ではボンボン・ショコラの一種です。
トリュフ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 構造 | ガナッシュを丸めてチョコでコーティング |
| 名前の由来 | きのこのトリュフに似た形状 |
| 仕上げ | ココアパウダー、粉糖、刻みナッツなど |
トリュフは、チョコレートと生クリームで作った「ガナッシュ」を一口サイズのボール型に成形し、チョコレートでコーティングしたものです。
名前の由来は、フランス料理の高級食材であるきのこの「トリュフ」。ころっとした見た目が、土から掘り出したばかりのトリュフに似ていることから名付けられました。表面にココアパウダーをまぶすことで、より一層トリュフらしさを演出しています。
プラリネ
「プラリネ」には2つの意味があります。
1. フィリング(中身)としてのプラリネ
ローストしたアーモンドやヘーゼルナッツに、キャラメリゼした砂糖を加えてペースト状にしたもの。ボンボン・ショコラの中身として使われます。
2. 一口サイズのチョコレート(ドイツ語圏・ベルギー)
ドイツ語圏やベルギーでは、一口サイズのチョコレート全般を「プラリネ」と呼びます。この意味では、フランス語の「ボンボン・ショコラ」とほぼ同義です。
トリュフとプラリネの違い
トリュフは「ガナッシュを丸めてコーティングしたもの」という製法が明確ですが、プラリネは「ナッツペーストの中身」または「一口チョコの総称」と、文脈によって意味が変わります。
その他の形状
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| カレ | フランス語で「四角い」の意味。正方形の一口チョコ |
| ロシェ | 「岩」の意味。ナッツでゴツゴツした表面を持つ |
| ジャンドゥーヤ | ヘーゼルナッツペーストとチョコの組み合わせ |
| オランジェット | オレンジピールをチョコでコーティング |
| マンディアン | 円盤状のチョコにナッツやドライフルーツをトッピング |
【製菓用途で分類】クーベルチュールとは?
お菓子作りをする方なら聞いたことがある「クーベルチュール」。市販の板チョコとは何が違うのでしょうか?
クーベルチュール・チョコレート
| 項目 | 国際規格 |
|---|---|
| 総カカオ分 | 35%以上 |
| カカオバター | 31%以上 |
| カカオマス | 2.5%以上 |
| 代用油脂 | 5%未満 |
「クーベルチュール」はフランス語で「覆うもの」という意味。その名の通り、ボンボンショコラのコーティングなど、製菓のプロが使うチョコレートです。
クーベルチュールの特徴
- カカオバターの含有量が多いため流動性が高い
- 溶かすとサラサラになり、薄くコーティングできる
- 固まるとパリッとした食感になる
- 口溶けが良い
注意点
クーベルチュールを使う際は「テンパリング」(温度調整)が必要です。適切な温度管理をしないと、ブルーム(白い粉のようなもの)が発生したり、艶のない仕上がりになったりします。
コーティング・チョコレート
テンパリングが面倒という方には、「コーティングチョコレート」がおすすめです。カカオバター以外の油脂を使用することで、テンパリング不要で使えるようになっています。
味わいの面ではクーベルチュールに劣りますが、初心者のお菓子作りには最適です。
板チョコ(市販)との違い
| 項目 | クーベルチュール | 市販の板チョコ |
|---|---|---|
| 成分 | カカオバターの割合が高い | 砂糖や植物油脂の割合が高い |
| 流動性 | サラサラで伸びやすい | もったりして伸びにくい |
| 味わい | カカオの風味が強い | 甘みが強い |
| 用途 | プロの製菓用 | そのまま食べる用 |
市販の板チョコは「そのままでも美味しく食べられる」ように作られているため、砂糖が多めでカカオバターの代わりに植物油脂が使われていることがあります。
【日本の規格】チョコレートと準チョコレートの違い
日本には、チョコレートの品質を保証するための独自の規格があります。

公正競争規約とは
日本では1971年から「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」が施行されています。これは、消費者が商品を選ぶ際の目安になるよう、チョコレート製品を9種類に分類したものです。
9種類の分類
- チョコレート
- 準チョコレート
- チョコレート菓子
- 準チョコレート菓子
- カカオマス
- ココアバター
- ココアケーキ
- ココアパウダー
- 調整ココアパウダー
チョコレート生地の定義
「チョコレート」と名乗るためには、以下の基準を満たす必要があります:
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| カカオ分 | 21%以上 |
| ココアバター | 18%以上 |
| 水分 | 3%以下 |
| カカオ分(または+乳固形分)合計 | 35%以上 |
準チョコレートとの違い
「準チョコレート」は、チョコレートよりもカカオ分が低い製品です。
| 項目 | チョコレート | 準チョコレート |
|---|---|---|
| カカオ分 | 21%以上 | 15%以上 |
| ココアバター | 18%以上 | 3%以上 |
一般的に、チョコレートの方がカカオ感が強く高品質とされますが、準チョコレートはコストを抑えられるため、駄菓子やコーティング用として広く使われています。
パッケージの表示を見れば、その商品が「チョコレート」なのか「準チョコレート」なのかがわかります。
純チョコレートとは
最も厳しい基準を満たすのが「純チョコレート(ピュアチョコレート)」です。
純チョコレートの条件
- カカオ成分はココアバターとカカオマスのみ
- 脂肪分はココアバターと乳脂肪のみ
- 糖類はショ糖のみ(全重量の55%以下)
- 乳化剤はレシチンのみ(0.5%以下)
- バニラ系香料以外の添加物不使用
添加物を極力排除した、最もシンプルなチョコレートと言えます。
【カカオ含有量で分類】ハイカカオとは?
カカオの含有量によっても、チョコレートの味わいは大きく変わります。
| 分類 | カカオ分 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハイカカオ | 70%以上 | 苦味が強い、健康志向 |
| ビター/ダーク | 40-60% | カカオ感がしっかり |
| スイート | 30-40% | 甘さとカカオのバランス |
| ミルク | 20-30% | まろやかで甘い |
| ホワイト | 0%(ココアバターのみ) | 苦味なし、甘い |
ハイカカオチョコレートの健康効果
カカオ分70%以上のハイカカオチョコレートは、カカオポリフェノールを多く含みます。抗酸化作用による美容効果や、血圧低下、認知機能の改善など、さまざまな健康効果が研究されています。
ただし、カカオ分が高いほど苦味も強くなるため、好みに合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
チョコレートの種類を、4つの軸で解説しました。
原材料による分類(5種類)
- ダーク:カカオ本来の苦味とコク
- ミルク:まろやかで食べやすい(世界で最も人気)
- ホワイト:カカオマス不使用で白く甘い
- ルビー:天然ピンク色、フルーティーな酸味(第4のチョコ)
- ブロンド:キャラメリゼしたビスケット風味(第5のチョコ)
形状による分類
- タブレット(板チョコ)
- ボンボン・ショコラ(一口サイズの総称)
- トリュフ(ガナッシュを丸めてコーティング)
- プラリネ(ナッツペースト or 一口チョコの総称)
製菓用途による分類
- クーベルチュール(国際規格を満たす製菓用)
- コーティングチョコ(テンパリング不要)
- 準チョコレート(カカオ分15%以上)
日本の規格
- チョコレート(カカオ分21%以上)
- 準チョコレート(カカオ分15%以上)
- 純チョコレート(添加物を極力排除)
チョコレートの種類を知ることで、自分好みのチョコレートを見つけやすくなります。また、お菓子作りの際にも、適切なチョコレートを選べるようになるでしょう。
次にチョコレートを買うときは、ぜひパッケージの表示をチェックしてみてください。

この記事を書いた人
佐藤 真理子(チョコレートライター)
国内外のチョコレートブランドを取材し、その魅力を伝える専門ライター。「食べる教養」をテーマに、チョコレートの歴史・文化・トレンドを発信中。
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