「高カカオチョコレートは健康に良い」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。その健康効果の正体が「カカオポリフェノール」です。
血圧低下、抗酸化作用、認知機能の向上など、カカオポリフェノールには科学的に証明された健康効果があります。しかし、「1日にどのくらい食べればいいの?」「いつ食べるのが効果的?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カカオポリフェノールの効果から、1日の摂取量の目安、効果的なタイミング、注意点まで詳しく解説します。
カカオポリフェノールとは?
カカオ豆に含まれる健康成分
カカオポリフェノールとは、チョコレートやココアの原料であるカカオ豆に含まれるポリフェノールの一種です。
- カカオ豆の乾燥重量の約10%を占める
- ポリフェノールの中でも「カテキン類」に分類される
- 主要成分は「エピカテキン」
- 「カカオフラバノール」とも呼ばれる
カカオポリフェノールは、緑茶のカテキンや赤ワインのポリフェノールと同じ仲間で、強い抗酸化作用を持っています。
ポリフェノールの特性|体内にためておけない
カカオポリフェノールには重要な特性があります。それは体内に蓄積できないということです。
- 摂取後約2時間で血中濃度がピークに達する
- 4〜6時間で効果が減少し始める
- 24時間後にはほぼ排出される
この特性から、カカオポリフェノールは毎日継続して摂取することが重要です。週末にまとめて食べるのではなく、毎日少しずつ摂取することで、より効果を得られます。
科学的に証明された6つの効果
カカオポリフェノールには、研究によって証明された健康効果があります。主な6つの効果を紹介します。
1. 血圧を下げる
カカオポリフェノールの最も注目される効果が血圧低下作用です。
カカオポリフェノールは、血管を広げる働きをする「一酸化窒素(NO)」の産生を促進します。血管が広がることで血液が流れやすくなり、血圧が下がるのです。
2014年に愛知県蒲郡市で行われた臨床試験では、高カカオチョコレートを4週間摂取した結果、最高血圧・最低血圧が有意に低下することが確認されました。
また、複数の研究を解析したメタアナリシスでは、カカオポリフェノールの主要成分であるエピカテキンを1日25mg摂取することで、血圧低下効果が認められています。
興味深いのは、高血圧の人ほど効果が高いという点です。正常血圧の人にも効果はありますが、血圧が高めの人のほうがより大きな効果を実感しやすいとされています。
2. 動脈硬化を予防する
動脈硬化の原因の一つは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化です。
カカオポリフェノールの強い抗酸化作用によって、LDLコレステロールの酸化を抑制。さらに、善玉コレステロール(HDL)を増加させる効果も報告されています。
3. 脳の機能を高める
カカオポリフェノールは、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という脳の栄養素を増加させることがわかっています。
BDNFは、脳の神経細胞の成長や維持に関わる重要なタンパク質です。加齢に伴い減少するBDNFが増えることで、認知機能の向上や認知症予防につながる可能性があります。
4. 肌を若々しく保つ
肌の老化は、紫外線などによる「活性酸素」のダメージが原因の一つです。
カカオポリフェノールの抗酸化作用によって、活性酸素による肌ダメージを軽減。シミ・シワの予防や肌老化の抑制に役立つ可能性があります。
5. 便秘を改善する(カカオプロテイン)
これはポリフェノールではなく「カカオプロテイン」の効果ですが、カカオの健康効果として重要なので紹介します。
カカオプロテインは難消化性のタンパク質で、消化されずに大腸まで届きます。便のかさを増やし、腸内環境を改善することで、便秘改善効果が期待できます。
6. アレルギー症状を緩和する
カカオポリフェノールには、活性酸素関連因子の働きを抑制する効果があります。これにより、花粉症などのアレルギー症状を緩和する可能性が報告されています。

欧州で認められた健康効果
カカオポリフェノールの効果は、日本だけでなく世界的に認められています。
EFSA(欧州食品安全機関)の認定
2013年、EFSA(欧州食品安全機関)は、高フラバノールココアパウダーや高フラバノールダークチョコレートに「ヘルスクレーム(健康強調表示)」を認定しました。
認定内容は、カカオフラバノールを1日200mg摂取すると、正常な血液循環に役立つというもの。科学的エビデンスに基づいた審査の結果、血流改善効果が公式に認められたのです。
【表で解説】1日の摂取量の目安
カカオポリフェノールの効果を得るには、どのくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。
推奨摂取量
| 指標 | 摂取量 |
|---|---|
| カカオポリフェノール | 200〜600mg/日 |
| 高カカオチョコレート(70%以上) | 約25g/日 |
| チョコレート効果の場合 | 3〜5枚/日 |
製品別・ポリフェノール含有量早見表
明治「チョコレート効果」シリーズを例に、製品別のポリフェノール含有量を比較してみましょう。
| 製品 | 1枚重量 | ポリフェノール | カロリー | 5枚食べた場合 |
|---|---|---|---|---|
| カカオ72% | 5.0g | 127mg | 28kcal | 635mg / 140kcal |
| カカオ86% | 5.0g | 147mg | 29kcal | 735mg / 145kcal |
| カカオ95% | 5.0g | 174mg | 31kcal | 870mg / 155kcal |
カカオ含有量が高いほど、1枚あたりのポリフェノール含有量も多くなります。
カロリーも一緒にチェック
農林水産省では、間食は1日200kcal以内を目安としています。
チョコレート効果72%を5枚食べても約140kcalなので、適量なら問題なし。ただし、他の間食と合わせて200kcalを超えないよう注意しましょう。

効果的な摂取タイミング
カカオポリフェノールは「いつ食べるか」も重要です。
ポリフェノールは「ためておけない」
先述の通り、カカオポリフェノールは体内に蓄積できません。
- 摂取後約2時間で血中濃度がピーク
- 4〜6時間で効果が減少
- 24時間後にはほぼ排出
このため、一度に大量に食べるより、分散して食べるほうが効果的です。
1日のベストタイミング
| 時間帯 | おすすめタイミング | 理由 |
|---|---|---|
| 午前 | 朝食後〜昼食前(10時頃) | 活動時間帯をカバー |
| 午後 | 昼食後〜夕食前(15時頃) | 午後の集中力維持 |
| 夜 | 控えめに | カフェイン含有のため |
おすすめの食べ方
- 1日3〜5回に分けて少量ずつ食べる
- 1回1〜2枚程度が目安
- 一度に5枚まとめて食べるより効果的
- 毎日継続することが最も重要
「朝と昼と15時」など、自分なりのルーティンを作ると続けやすくなります。

高カカオチョコレートの選び方
カカオ含有量の違い
| カカオ% | 苦み | ポリフェノール | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 70% | 控えめ | ◎ | 初心者、苦みが苦手な人 |
| 86% | 強め | ◎◎ | 高カカオに慣れた人 |
| 95% | とても強い | ◎◎◎ | 苦みが好きな上級者 |
初めて高カカオチョコレートを試す方は、カカオ70%から始めるのがおすすめ。慣れてきたら徐々にカカオ含有量を上げていくとよいでしょう。
選ぶときのチェックポイント
- カカオ分70%以上を選ぶ
- 原材料表示で砂糖の順番を確認(後ろにあるほど少ない)
- 1枚あたりのポリフェノール量が記載されていると便利
- カロリー・糖質も確認
他のポリフェノールとの比較
カカオポリフェノールは、他のポリフェノール食品と比べてどうなのでしょうか。
ポリフェノール含有量の比較(100gあたり)
| 食品 | ポリフェノール含有量 |
|---|---|
| 高カカオチョコ(86%) | 約2,940mg |
| 赤ワイン | 約230mg |
| コーヒー | 約200mg |
| 緑茶(抽出液) | 約50〜100mg |
高カカオチョコレートのポリフェノール含有量は圧倒的です。赤ワインの約10倍ものポリフェノールが含まれています。
カカオポリフェノールの強み
- 含有量が圧倒的に多い
- アルコールを含まない(赤ワインと違い誰でも摂取可能)
- 手軽に摂取できる
- 保存が効く
注意点|食べる前に知っておきたいこと
カカオポリフェノールには多くの健康効果がありますが、注意点もあります。
カフェイン含有量に注意
高カカオチョコレートには、カフェインが含まれています。
| 食品 | カフェイン量(目安) |
|---|---|
| 板チョコ50g(ミルク) | 約14mg |
| 高カカオチョコ50g(70%) | 約42mg |
| 高カカオチョコ100g | 70〜120mg |
| コーヒー1杯(100ml) | 約60mg |
高カカオチョコレート50gで、コーヒー約0.7杯分のカフェインが含まれています。コーヒーと一緒に食べる方は、カフェインの総量に注意しましょう。
妊婦さんへの注意
妊娠中は血液からのカフェイン消失が遅くなります。また、カフェインの過剰摂取は胎児への影響も懸念されています。
- WHO推奨の妊婦のカフェイン上限:1日200〜300mg
- 高カカオチョコ50gでカフェイン約42mg
- コーヒーとの併用を避けることをおすすめします
妊娠中の方は、高カカオチョコレートを食べる場合、コーヒーを控えるかノンカフェインにするなど工夫しましょう。
子どもへの注意
子どもは大人よりもカフェインの影響を強く受けます。
- 脳が未発達で、肝臓の代謝機能が低い
- 睡眠の妨げになる可能性
- 脳の発育への影響も懸念される
子どもに高カカオチョコレートを与える場合は、少量に留めるようにしましょう。
カロリー・脂質の摂りすぎに注意
チョコレートは高カロリー食品です。健康効果を期待して食べ過ぎると、肥満や生活習慣病のリスクが高まります。
- 間食は1日200kcal以内が目安
- チョコレート効果72%を5枚で約140kcal
- 他の間食と合わせて管理する
適量を守って、健康的に楽しみましょう。
よくある質問|Q&A
Q: 毎日食べても大丈夫?
A: 適量(3〜5枚)なら問題ありません。むしろ毎日継続することが効果的です。
カカオポリフェノールは体内に蓄積できないため、毎日少しずつ摂取することが重要。週末にまとめて食べるより、毎日3〜5枚を習慣にしましょう。
Q: いつ食べるのがベスト?
A: 1日数回に分けて食べるのが効果的です。
ポリフェノールは摂取後2時間でピーク、4〜6時間で効果が減少します。朝・昼・15時など、分散して食べることで効果を持続させられます。
Q: 普通のチョコレートでも効果ある?
A: カカオ分が低いと効果も低くなります。70%以上がおすすめです。
ミルクチョコレートにもカカオポリフェノールは含まれますが、量は高カカオチョコレートの数分の一です。健康効果を期待するなら、カカオ70%以上を選びましょう。
Q: 薬との併用は大丈夫?
A: 血圧の薬などを服用中の方は、医師に相談することをおすすめします。
カカオポリフェノールには血圧低下作用があるため、降圧剤を服用中の方は注意が必要です。
まとめ|毎日少しずつが効果的
カカオポリフェノールの効果と摂取方法についてまとめます。
ポイント:
- カカオポリフェノールは科学的に効果が証明された健康成分
- 血圧低下、抗酸化作用、認知機能向上など6つの効果
- 1日の摂取量目安は200〜600mg(高カカオチョコ25g、3〜5枚)
- 体内にためておけないので、1日数回に分けて摂取
- 毎日継続することが最も重要
- カフェイン・カロリーに注意しながら適量を守る
健康のためにチョコレートを取り入れるなら、カカオ70%以上の高カカオチョコレートを選び、毎日少しずつ食べる習慣をつけましょう。
美味しく食べながら健康効果も得られる、それがカカオポリフェノールの魅力です。

参考情報
本記事は、明治チョコレート効果公式サイト、明治みんなの健康チョコライフ、日本チョコレート・ココア協会、健康長寿ネット、サワイ健康推進課の情報を参考に作成しています。
執筆者:佐藤 真理子(チョコレートライター)
チョコレートの歴史や製法、世界のカカオ産地を取材し、「美味しさの向こう側」にあるストーリーを伝えるライター。
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