普段何気なく食べているチョコレート。
その裏側で、156万人以上の子どもたちが危険な労働を強いられている事実を知っていますか?
西アフリカのカカオ農園では、学校に行けない子どもたちが、刃物を使った収穫作業や農薬の散布を行っています。私たちが「美味しい」と感じる一口のチョコレートが、子どもの犠牲の上に成り立っているかもしれないのです。
でも、絶望する必要はありません。「フェアトレードチョコレート」を選ぶことで、私たちにもできることがあります。
この記事では、児童労働問題の実態から、フェアトレードの仕組み、認証マークの見分け方、おすすめブランドまで徹底解説。チョコレートを通じて世界を変える第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
【数字で見る】カカオ農園の児童労働問題
まず、問題の深刻さを数字で見ていきましょう。
156万人の子どもが働いている

世界のカカオ生産の約70%を占める西アフリカ地域。その中心であるコートジボワールとガーナだけでも、156万人以上の子どもが危険な労働に従事しています(2020年、シカゴ大学)。
さらに衝撃的なのは、この問題が悪化しているということ。
| 指標 | 2008年 | 2019年 |
|---|---|---|
| 児童労働の割合 | 31% | 45% |
11年間で14ポイントも増加しているのです。国際社会が問題を認識してから20年以上経っても、解決の兆しが見えていません。
子どもたちはどんな仕事をしているのか
カカオ農園で子どもたちが行っている作業は、決して「お手伝い」のレベルではありません。
危険な労働の例:
- マチェーテ(大きな刃物)でカカオの実を収穫
- 重い袋(30kg以上)を運搬
- 農薬の散布(健康被害のリスク)
- 長時間労働(1日10時間以上)
農園経営をする家庭の子ども(6〜17歳)の3分の1は、一度も学校に行ったことがないという報告もあります。
なぜ児童労働がなくならないのか
なぜこれほど深刻な問題が解決されないのでしょうか?
根本原因:カカオ豆の価格が安すぎる
国際協力団体オックスファムによれば、ガーナのカカオ農家の多くは、1日2ドル(約300円)の収入で暮らしています。
一部の大手チョコレート会社がカカオを不当に低い価格で買い取っているため、農家は利益を出すために子どもを働かせざるを得ない状況に追い込まれています。
子どもを学校に行かせれば、教育費がかかる上に労働力が減る。そうすると家計が回らない——この貧困の連鎖が、児童労働をなくせない最大の理由です。
フェアトレードとは?仕組みを解説
では、私たちに何ができるのでしょうか?その答えの一つが「フェアトレード」です。
フェアトレードの定義
フェアトレードとは、発展途上国の原料・製品を「適正価格」で継続して購入し、生産者の賃金や労働環境を守り、よりよくしていくための貿易の仕組みです。
「フェア(公正)」な「トレード(貿易)」——名前の通り、「買う側」と「作る側」が対等な関係で取引することを目指しています。
3つの原則(経済・社会・環境)
国際フェアトレード基準は、「経済」「社会」「環境」の3つの原則で成り立っています。
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 経済的基準 | フェアトレード最低価格の保証、プレミアム(上乗せ金)の支払い |
| 社会的基準 | 安全な労働環境、児童労働・強制労働の禁止、健康保険の付与 |
| 環境的基準 | 有機栽培の奨励、遺伝子組み換え品の禁止 |
特に重要なのは、児童労働・強制労働の禁止が基準に明記されていること。フェアトレード認証を受けるためには、この基準を満たす必要があります。
お金はどう届く?フェアトレードの仕組み
「フェアトレードチョコを買えば、本当にカカオ農家を助けられるの?」
この疑問に答えるために、お金の流れを見てみましょう。

通常のチョコレート:
消費者 → メーカー → 商社 → 現地業者 → 農家
(途中で多くのマージンが取られ、農家にはほとんど残らない)
フェアトレードチョコレート:
消費者 → メーカー → 認証機関 → 農家
(最低価格保証 + フェアトレード・プレミアム)
フェアトレード・プレミアムとは、通常の買取価格に上乗せされるお金のこと。このお金は生産者団体に支払われ、学校や病院の建設、農業技術の向上、生活インフラの整備などに使われます。
つまり、フェアトレードチョコを買うことで、農家の収入が増えるだけでなく、地域全体の暮らしが良くなる仕組みになっているのです。
認証マークの種類と見分け方
「フェアトレードチョコを買いたい!」と思っても、どれがフェアトレード製品か分からないと困りますよね。
ここでは、認証マークの見分け方を解説します。

1. 国際フェアトレード認証ラベル(黒地)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行元 | Fairtrade International(FLO) |
| 日本での認証 | フェアトレード・ラベル・ジャパン |
| 条件 | 認証原料100% |
| 信頼度 | ★★★(最も厳格) |
黒地に人型のマークが目印。このラベルがついていれば、原料のすべてがフェアトレード基準を満たしていることが保証されます。
2. 国際フェアトレード認証ラベル(矢印付き)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | 認証原料が20%以上 |
| 特徴 | 右側に矢印がついている |
| 「COCOA」表記 | カカオのみがフェアトレード品の場合 |
3. 世界フェアトレード連盟保証ラベル(WFTO)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行元 | World Fair Trade Organization |
| 特徴 | 製品ではなく団体を認証 |
| 対象 | フェアトレード専門の企業・団体 |
ピープルツリーなど、フェアトレード専門のブランドがこの認証を受けています。
認証マーク早見表
| マーク | 意味 | 信頼度 | 見つけやすさ |
|---|---|---|---|
| 黒地ラベル | 100%認証原料 | ★★★ | ★★★ |
| 矢印付き/COCOA | 20%以上認証 | ★★☆ | ★★☆ |
| WFTOラベル | 専門団体認証 | ★★★ | ★☆☆ |
迷ったら、黒地のラベルを探しましょう。最も厳格で、信頼性が高いです。
おすすめフェアトレードチョコレートブランド
「どこで何を買えばいいの?」——具体的なおすすめブランドを紹介します。
日本のブランド
| ブランド | 特徴 | 価格帯 | 入手先 |
|---|---|---|---|
| ピープルツリー | 30年の歴史、パッケージが可愛い | 中 | 公式サイト、自然食品店 |
| 森永「1チョコ for 1スマイル」 | ガーナ支援、国際認証取得 | 低 | スーパー、コンビニ |
| イオン トップバリュ | オーガニック&フェアトレード | 低 | イオン系列店 |
| 明治「ザ・チョコレート」 | 産地別カカオ、農家支援 | 中 | スーパー、コンビニ |
ピープルツリーは日本のフェアトレードの先駆者。秋冬限定販売のため、見つけたら即買いがおすすめです。パッケージが可愛いので、ギフトにも最適。
海外のブランド
| ブランド | 国 | 特徴 | 入手先 |
|---|---|---|---|
| ショコラステッラ | スイス | 世界初のフェアトレードチョコ(1991年) | 成城石井 |
| ダンデライオン | アメリカ | Bean to Bar、蔵前に直営店 | 直営店、百貨店 |
| ラティテュード | ウガンダ | Farm to Bar、全工程管理 | 通販 |
| ディバイン | イギリス | カカオ農家が株主 | 通販 |
ショコラステッラは1991年に世界で初めてフェアトレードチョコレートを製造した歴史あるブランド。成城石井で手軽に買えます。
【用途別】どれを買えばいい?
| 用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 日常用(毎日食べる) | 森永、イオン | 安い、どこでも買える |
| ギフト用 | ピープルツリー | パッケージが可愛い、話題性 |
| お試し用 | 成城石井のステラ | 手軽に本格派を体験 |
| こだわり派 | ダンデライオン | 店舗体験も楽しめる |
日本のチョコメーカーの取り組み
「フェアトレード認証がなくても、児童労働問題に取り組んでいるメーカーはあるの?」
答えはYESです。日本の大手メーカーも、さまざまな形で取り組んでいます。

明治の「カカオ農家支援活動」
明治は2006年から「メイジ・カカオ・サポート」プログラムを開始。ドミニカ共和国、ベネズエラ、ブラジル、ペルーの4カ国で、カカオ農家の支援活動を行っています。
「ザ・チョコレート」シリーズは、産地別のカカオを使い、生産者との顔の見える関係を築いています。
森永の「1チョコ for 1スマイル」
森永は「1チョコ for 1スマイル」キャンペーンを通じて、対象商品の売上の一部をガーナのカカオ農家支援に充てています。
さらに、国際フェアトレード認証を取得したチョコレートも販売。スーパーやコンビニで気軽に買える点が魅力です。
JICAの「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」
2020年、JICA(国際協力機構)が「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」を設立しました。
製菓企業、商社、コンサルティング会社、NGOなどが参加し、カカオ産業における児童労働撤廃に向けて協働しています。ACE(エース)などのNGOは、ガーナで500人以上の子どもを児童労働から保護する活動を行っています。
私たちにできること|今日から始めるアクション
「問題の深刻さは分かった。でも、私に何ができるの?」
安心してください。今日からできることがあります。

1. 認証マークを探してみる
まずは、次にスーパーに行ったとき、チョコレートの棚で黒地のフェアトレードラベルを探してみてください。意外と身近なところにあることに気づくはずです。
2. まず1つ買ってみる
「いきなり全部フェアトレードに変える」必要はありません。特別な日だけフェアトレードを選ぶだけでも、十分な貢献になります。
まずは森永やイオンなど、手軽に買えるものから試してみましょう。
3. SNSでシェアする
この記事を読んで「知らなかった!」と思った方は、SNSでシェアしてください。問題を知らない人に広めることも、大きな力になります。
4. バレンタインにフェアトレードを選ぶ
年に一度の「チョコレートの祭典」であるバレンタイン。ギフトにフェアトレードチョコを選ぶことで、贈る相手にも問題を知ってもらうきっかけになります。
ピープルツリーのパッケージは可愛いので、「なんでこれ選んだの?」という会話のきっかけにもなりますよ。
よくある疑問への回答
Q: フェアトレードじゃないチョコは全部ダメ?
A: いいえ。認証を取っていなくても、良心的な取り組みをしている会社もあります。大切なのは「意識を持つこと」です。
Q: 寄付の方が効果的?
A: 両方大切です。フェアトレードは「継続的な支援」になる点が強み。毎日のチョコを変えるだけで、長期的な貢献になります。
Q: 高いから買えない…
A: 森永やイオンなら、通常のチョコとほぼ変わらない価格で買えます。「特別な日だけフェアトレード」でもOKです。
まとめ
チョコレートと児童労働、フェアトレードについて解説してきました。最後にポイントをおさらいしましょう。

カカオ農園の現実:
- コートジボワールとガーナで156万人以上の子どもが働いている
- 2008年から2019年で児童労働の割合は31%→45%に増加
- 根本原因はカカオ豆の価格が安すぎること
フェアトレードの仕組み:
- 「適正価格+プレミアム」で生産者を支援
- 児童労働・強制労働の禁止が基準に含まれる
- 学校や病院の建設など、地域全体の暮らしが良くなる
認証マークの見分け方:
- 黒地ラベル = 100%認証原料(最も信頼性が高い)
- 矢印付き/COCOA = 20%以上が認証原料
- WFTOラベル = フェアトレード専門団体の認証
おすすめブランド:
- 日常用:森永、イオン
- ギフト用:ピープルツリー
- お試し用:成城石井のステラ
チョコレートを選ぶという、日常の小さな行動。
でも、その積み重ねが、遠い国の子どもたちの未来を変える力になります。
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