「ブロンドチョコレート」という名前を聞いたことはありますか?キャラメルのような美しい色合いと、ビスケットを思わせる香ばしい風味が特徴の新しいチョコレートです。

実はこのブロンドチョコレート、偶然の発見から生まれました。ホワイトチョコレートを放置してしまったことがきっかけで誕生したという、ユニークな開発秘話があるのです。

この記事では、ブロンドチョコレートの味の特徴や誕生秘話、ルビーチョコレートやキャラメルチョコとの違いを詳しく解説します。

ブロンドチョコレートとは?

ダーク・ミルク・ホワイトに続く「第4のチョコ」

チョコレートといえば、ダーク・ミルク・ホワイトの3種類が基本。長い間、この3つがチョコレートのカテゴリーでした。

そこに新しく加わったのがブロンドチョコレートです。フランスの高級チョコレートメーカー「ヴァローナ(Valrhona)」が開発し、2012年〜2013年に発売されました。

ブロンドチョコレートは、その独特の色と風味から「第4のチョコレート」と呼ばれています。キャラメル色に輝く美しい見た目と、まるでビスケットを食べているかのような香ばしさが特徴です。

032 five types

商品名「ドゥルセ(DULCEY)」の由来

ヴァローナ社のブロンドチョコレートは「ドゥルセ(DULCEY)」という商品名で販売されています。

この名前の由来は、南米の伝統菓子「ドゥルセ・デ・レチェ(Dulce de Leche)」。砂糖を入れた牛乳をゆっくりと加熱して作る、亜麻色(あまいろ)の甘いスイーツです。ブロンドチョコレートの色合いがこのドゥルセ・デ・レチェに似ていることから名付けられました。

偶然の発見から生まれた誕生秘話

032 birth story

10時間放置したホワイトチョコが変身

ブロンドチョコレートの誕生には、面白いエピソードがあります。

あるとき、ヴァローナ社の工房でホワイトチョコレートが焙炉(ほいろ)に入れたまま放置されてしまいました。通常なら失敗作として廃棄されるところですが、10時間後に確認すると、そこには美しいブロンド色に変化したチョコレートがあったのです。

これがブロンドチョコレート誕生のきっかけでした。偶然の失敗が、新しいチョコレートの発見につながったのです。

商品化まで8年の開発期間

しかし、偶然できたものを商品として安定的に作り続けるのは簡単ではありません。

ヴァローナ社は、この偶然を再現するための研究を重ねました。開発期間は約8年。どのような条件で加熱すれば同じ色と風味が出せるのか、品質を安定させるにはどうすればいいのか、試行錯誤を繰り返しました。

そしてついに2012年、「ブロンド・ドゥルセ」として商品化に成功。世界初のブロンドチョコレートとして発売されました。

なぜブロンド色になる?メイラード反応の科学

キャラメルと同じ「褐変反応」

ブロンドチョコレートがなぜあの美しいキャラメル色になるのか。その秘密は「メイラード反応」にあります。

メイラード反応とは、糖とアミノ酸が加熱によって反応し、褐色に変化する現象のこと。「褐変反応」とも呼ばれ、私たちの身近なところでもよく起きています。

例えば:

  • パンを焼くと表面がきつね色になる
  • ステーキを焼くと表面が茶色くなる
  • キャラメルが琥珀色になる

ブロンドチョコレートも同じ原理です。ホワイトチョコレートに含まれるミルクと糖分が長時間の加熱で反応し、ブロンド色と独特の香ばしさが生まれます。

ヴァローナ独自の製法

ただし、単にホワイトチョコを加熱すればいいというわけではありません。

ヴァローナ社は、独自の製法で安定した品質のブロンドチョコレートを生産しています。具体的な製造工程は企業秘密ですが、通常のホワイトチョコレート製造とは異なる特別な加熱工程を経ていることは間違いありません。

ブロンドチョコレートの味わい|どんな味がする?

キャラメル×ビスケットの香ばしさ

ブロンドチョコレートを口に入れると、まず感じるのはキャラメルのような香ばしさ。そして、まるで塩キャラメルビスケットを食べているかのような風味が広がります。

味の特徴をまとめると:

  • キャラメルを思わせる香ばしい風味
  • ビスケットのような甘い香り
  • ほんのり塩気を感じる
  • まろやかで優しい甘さ

この塩気の正体は、原材料に使われている有塩バター。わずかな塩味がアクセントになり、甘さを引き立てています。

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酸味がないのが特徴

同じ「第4のチョコレート」と呼ばれるルビーチョコレートがフルーティーな酸味を持つのに対し、ブロンドチョコレートには酸味がありません

また、カカオマスを使用していないため、一般的なチョコレートに感じる苦みもほとんどありません。甘いものが好きな人、苦みや酸味が苦手な人にも食べやすい味わいです。

【比較表】ブロンドチョコとルビーチョコの違い

どちらも「第4のチョコ」と呼ばれているが別物

「第4のチョコレート」という言葉を聞くと、ブロンドチョコレートとルビーチョコレートのどちらを思い浮かべますか?

実は、両方のチョコレートがこの呼び名を使っています。なぜなら、それぞれ別の会社が開発し、自社製品を「第4のチョコレート」としてアピールしているからです。

  • ブロンドチョコレート:ヴァローナ社(フランス)が2012年に発売
  • ルビーチョコレート:バリーカレボー社(スイス)が2017年に発売

比較表で一目瞭然

比較項目ブロンドチョコレートルビーチョコレート
開発メーカーヴァローナ社(フランス)バリーカレボー社(スイス)
発売年2012〜2013年2017年
キャラメル色(ブロンド)ピンク色(ルビー)
ベースホワイトチョコをキャラメリゼルビーカカオ豆から製造
味の特徴キャラメル・ビスケットの香ばしさベリー系のフルーティーな酸味
酸味なしあり
着色料不使用(メイラード反応)不使用(天然成分)

どちらも「第4のチョコレート」ですが、味も見た目も全く異なることがわかります。ブロンドは香ばしさ、ルビーはフルーティーさが特徴です。

なお、フランスでは法律上、ブロンドチョコレートは「ホワイトチョコレートの一種」とみなされており、正式には「第4のチョコレート」として認められていないという事情もあります。

キャラメルチョコレートとは何が違う?

製法が根本的に異なる

「キャラメル味のチョコレートと何が違うの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

確かに味は似ていますが、製法が根本的に異なります

  • キャラメルチョコレート:ミルクチョコレートにキャラメル香料を添加
  • ブロンドチョコレート:ホワイトチョコレートをキャラメリゼして作る

一般的なキャラメルチョコは、既存のチョコレートにフレーバーを加えた「フレーバーチョコレート」。一方、ブロンドチョコレートは製造工程そのものが異なる新しいカテゴリーのチョコレートです。

香料不使用の「本物」の香ばしさ

ブロンドチョコレートの香ばしさは、メイラード反応によって生まれた自然な風味です。香料を一切使用していません。

ヴァローナ社はブロンドチョコレートを、キャラメルフレーバーのチョコレートとは別のカテゴリーとして位置づけています。「キャラメル味のチョコ」ではなく、「ブロンドチョコレート」という新しい種類のチョコレートなのです。

5種のチョコレートを比較

ダーク・ミルク・ホワイト・ブロンド・ルビーの特徴

現在、チョコレートは5つのカテゴリーに分けることができます。それぞれの特徴を比較してみましょう。

種類味の特徴カカオ感
ダーク濃い茶色苦み、深いコク強い
ミルク茶色バランスの良い甘さ中程度
ホワイトクリーム色ミルキーで甘い弱い
ブロンドキャラメル色キャラメル・ビスケットの香ばしさなし
ルビーピンク色フルーティーな酸味中程度

それぞれに個性があり、好みも分かれるところです。

  • 苦みを楽しみたい→ダークチョコレート
  • バランス重視→ミルクチョコレート
  • 甘さを楽しみたい→ホワイトチョコレート
  • 香ばしさを楽しみたい→ブロンドチョコレート
  • フルーティーさを楽しみたい→ルビーチョコレート

ブロンドチョコレートはどこで買える?

コンビニ・スーパーで買える商品

まずは手軽に試してみたい方におすすめの市販品です。

ブルボン アルフォート ブロンドチョコレート味
おなじみのアルフォートにブロンドチョコレートを使用した商品。焦がしバターが香るキャラメル風味で、ビスケットとの相性も抜群です。「ディープブロンド」タイプも発売されています。

ゴディバ ブロンドチョコレート アイスバー
高級チョコレートブランド・ゴディバのアイスバー。キャラメル風味のアイスクリームをブロンドチョコレートでコーティングした贅沢な一品です。

通販で買える商品

より本格的なブロンドチョコレートを楽しみたい方に。

  • ゴディバ ジーバイ タブレット ブロンド ソルテッドキャラメル:塩入りの板チョコ
  • PAPAO ブロンドチョコレート:国産、コクのある香りが特徴
  • 西村花月堂 割れチョコ ブロンドチョコ 1kg:大容量でお菓子作りに便利
  • チョコ屋 キャラメル薫るピーカンナッツチョコレート:ナッツとの組み合わせ

製菓用として買える場所

手作りスイーツに使いたい方は、製菓材料店で購入できます。

ヴァローナ ドゥルセ
ブロンドチョコレートの元祖。プロのパティシエも使用する本格的な製菓用チョコレートです。

購入できる場所:

  • 富澤商店:150g〜200gの少量パックあり
  • cotta(コッタ):オンラインで購入可能
  • TFOODS:業務用の大容量パックも
  • Amazon・楽天:各種サイズを取り扱い

ブロンドチョコレートの活用法

そのまま味わう

ブロンドチョコレートの繊細な風味を楽しむなら、まずはそのまま味わってみましょう。

おすすめの食べ方:

  • 口の中でゆっくり溶かして風味を楽しむ
  • 常温に少し戻すと香りが立ちやすい

おすすめのペアリング:

  • コーヒー:香ばしさ同士が調和
  • 紅茶(アッサム):ミルキーな味わいと相性抜群
  • ナッツ類:香ばしさが引き立つ
  • 塩系のおつまみ:塩気とのマリアージュ

製菓で活用

製菓用のブロンドチョコレートを使えば、プロのような仕上がりのスイーツが作れます。

おすすめの活用法:

  • ガナッシュ:トリュフやボンボンショコラに
  • ムース:ふわふわの食感と香ばしさ
  • ソルベ:さっぱりとした後味
  • ケーキのコーティング:美しいキャラメル色の仕上がり
  • クリーム:タルトやシュークリームのフィリングに

バレンタインの手作りチョコにも最適。ダーク・ミルク・ホワイトに飽きた方には、ブロンドチョコレートを使った新しい味わいがおすすめです。

ヴァローナ社について

世界トップクラスのチョコレートメーカー

ブロンドチョコレートを生み出したヴァローナ社は、世界トップクラスのチョコレートメーカーです。

  • 創業:1922年
  • 所在地:南フランス「ヴァレ・デュ・ローヌ」地方
  • 創業者:アルベリック・ギロネ氏
  • 2022年で創業100年を迎えた老舗

社名「Valrhona(ヴァローナ)」は、vallée(渓谷)+ Le Rhone(ローヌ川)を組み合わせた造語。創業地であるローヌ渓谷にちなんだ名前です。

世界中のトップパティシエが愛用するブランドとして知られ、カカオの産地にこだわったシングルオリジン製品など、品質の高いチョコレートを数多く展開しています。

まとめ|ブロンドチョコレートを試してみよう

ブロンドチョコレートについて、ポイントをおさらいしましょう。

ブロンドチョコレートとは

  • フランスのヴァローナ社が開発した「第4のチョコレート」
  • 商品名は「ドゥルセ(DULCEY)」
  • 2012年に世界初のブロンドチョコとして発売

誕生秘話

  • ホワイトチョコを10時間放置した偶然の発見がきっかけ
  • 商品化まで8年の開発期間を要した

味の特徴

  • キャラメル×ビスケットの香ばしい風味
  • ほんのり塩気を感じる
  • 酸味や苦みがなく食べやすい
  • メイラード反応による自然な香ばしさ

ルビーチョコとの違い

  • ブロンド:香ばしさ、キャラメル色
  • ルビー:フルーティーな酸味、ピンク色
  • 両方とも「第4のチョコ」だが全くの別物

まだブロンドチョコレートを試したことがない方は、コンビニで買えるアルフォートから試してみるのがおすすめ。偶然から生まれた新しい味わいを、ぜひ体験してみてください。

参考情報

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