「ママ、カカオとチョコレートって何が違うの?」
お子さんからこんな質問をされて、うまく答えられなかった経験はありませんか?
「えっと…カカオはチョコの原料で…」と曖昧に答えてしまいがちですよね。
結論から言うと、カカオは「原料(植物の豆)」、チョコレートは「製品(お菓子)」です。
この記事では、カカオとチョコレートの違いを図解付きで分かりやすく解説します。お子さんにも説明できるように、専門用語はできるだけ避けてお伝えしますね。
【結論】カカオは「原料」、チョコレートは「製品」
まず、一番大切なポイントをお伝えします。
カカオとチョコレートの関係は、料理の「食材」と「料理」の関係と同じです。

分かりやすく例えると:
| 食材 | 料理 |
|---|---|
| お米 | おにぎり |
| 小麦粉 | パン |
| カカオ豆 | チョコレート |
つまり、カカオ豆がなければ、チョコレートは作れません。
カカオは植物の名前であり、その種子(カカオ豆)がチョコレートの原料になります。このカカオ豆を加工して、砂糖やミルクを加えたお菓子がチョコレートなのです。
カカオとチョコレートの違い一覧
| 項目 | カカオ | チョコレート |
|---|---|---|
| 正体 | 植物の種子(豆) | 加工されたお菓子 |
| 味 | 苦い、渋い | 甘い(砂糖入り) |
| 食べ方 | そのままでは食べにくい | そのまま食べられる |
| 発明 | 紀元前から存在 | 19世紀に固形化 |
カカオとは?「神の食べ物」の正体
カカオの学名は「神の食べ物」
カカオの正式な学名は「テオブロマ カカオ」といいます。
「テオブロマ」はギリシャ語で「神の食べ物」という意味。昔の人々がカカオをどれほど大切にしていたかが分かりますね。
古代メキシコでは、カカオ豆はお金の代わりに使われていたほど価値がありました。当時のカカオは、すりつぶして飲む「飲み物」として楽しまれていました。
カカオの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | テオブロマ カカオ リンネ |
| 科 | アオイ科(ハイビスカスと同じ仲間) |
| 原産地 | 中南米(アマゾン川流域) |
| 木の高さ | 約6〜7メートル |
| 実がなるまで | 苗から3〜4年 |
カカオベルト:カカオが育つ場所
カカオは暖かい場所でしか育ちません。
赤道をはさんで北緯20度から南緯20度までの熱帯地域を「カカオベルト」と呼びます。ここでしかカカオは栽培できないのです。

カカオが育つ条件:
- 年間平均気温:約27度
- 年間降雨量:1000mm以上
- 高度:30〜300m
主な生産国はコートジボワール、ガーナ、エクアドルなど。日本でカカオを育てるのは難しいため、すべて輸入に頼っています。
カカオポッドとカカオ豆
カカオの実は「カカオポッド」と呼ばれ、ラグビーボールのような形をしています。
| 部位 | 説明 |
|---|---|
| カカオポッド | ラグビーボール状の実(250g〜1kg) |
| パルプ | カカオ豆を包む白い果肉(ライチのような味) |
| カカオ豆 | ポッドの中に30〜40粒入っている種子 |
面白いことに、カカオポッドは木の幹に直接くっついて実ります。他の果物のように枝の先になるわけではないのです。
カカオの3大品種
カカオには主に3つの品種があります。
| 品種 | 特徴 | 世界生産量 |
|---|---|---|
| フォラステロ種 | 苦味・渋みが強い、育てやすい | 約80〜90% |
| クリオロ種 | マイルド、希少、高級 | 約3% |
| トリニタリオ種 | 両者の交配種、フルーティ | 約10〜15% |
普段私たちが食べているチョコレートの多くは「フォラステロ種」から作られています。「クリオロ種」は希少で、高級チョコレートに使われることが多いです。
【図解】カカオからできる3つのもの
カカオ豆を加工すると、3つの重要なものができます。
これを理解すると、チョコレートとココアの違いもすっきり分かりますよ。
カカオ豆からの製造工程
【カカオ豆】
↓ 発酵・乾燥
↓ 焙煎(ロースト)
↓ 粉砕・外皮除去
【カカオニブ】(砕いたカカオ豆)
↓ すりつぶす
【カカオマス】 ← ★ここが分岐点!
↓ 圧搾(プレス)
┌──────┴──────┐
↓ ↓
【カカオバター】 【ココアケーキ】
(油脂分) ↓ 粉砕
【ココアパウダー】

カカオマス・カカオバター・ココアパウダーの違い
| 名前 | 説明 | 見た目 | 用途 |
|---|---|---|---|
| カカオマス | カカオ豆をすりつぶしたペースト | 茶色の固形 | チョコレートの基本原料 |
| カカオバター | カカオマスから搾った油脂 | 淡黄色、固形 | チョコの口どけを決める |
| ココアパウダー | 油脂を取り除いた粉末 | 茶色の粉末 | ココア飲料、お菓子 |
ポイント:
カカオマスには約55%の油脂(カカオバター)が含まれています。この油脂を取り除くか、加えるかで「ココア」と「チョコレート」に分かれるのです。
ココアとチョコレートの違い
「ココアとチョコレートは同じもの?」という疑問もよく聞かれます。
答えは、同じ原料から作られますが、作り方が違います。

ココアとチョコレートの作り方の違い
| 製品 | 作り方 |
|---|---|
| ココア | カカオマスからカカオバターを取り除いて粉末にしたもの |
| チョコレート | カカオマスにカカオバターを加えて固形にしたもの |
覚え方:
- ココア = 引き算(油脂を取り除く)
- チョコレート = 足し算(油脂を加える)
ココアとチョコレートの比較表
| 項目 | ココア | チョコレート |
|---|---|---|
| 状態 | 粉末 | 固形 |
| 油脂分 | 低い(10〜22%) | 高い(約30%以上) |
| カロリー | 低め | 高め |
| 主な用途 | 飲み物、お菓子の材料 | そのまま食べる |
「ホットココア」と「ホットチョコレート」の違い
カフェのメニューで見かける「ホットココア」と「ホットチョコレート」。これも違いがあります。
| 飲み物 | 作り方 |
|---|---|
| ホットココア | ココアパウダーをお湯やミルクで溶かす |
| ホットチョコレート | チョコレートを溶かして作る |
ホットチョコレートの方がカカオバターを含むため、よりリッチで濃厚な味わいになります。
チョコレートの種類と違い(ビター・ミルク・ホワイト)
チョコレートにはいくつかの種類があります。主な3種類の違いを見てみましょう。

3種類のチョコレート比較
| 種類 | カカオ分 | 乳製品 | 味の特徴 |
|---|---|---|---|
| ビター(ダーク) | 40〜60%以上 | なし | 苦味が強い、大人向け |
| ミルク | 30〜40% | あり | まろやか、子ども向け |
| ホワイト | カカオマス0% | あり | 甘い、苦味なし |
ビターチョコレート(ダークチョコレート)
カカオマスの含有量が多く、苦味と香りが強いのが特徴です。
乳製品が入っていないため、カカオ本来の味を楽しめます。「スイートチョコレート」と呼ばれることもあります。
最近話題の「高カカオチョコレート」もビターチョコの一種で、カカオ分が70%以上のものを指します。
ミルクチョコレート
カカオマスに乳製品(ミルク)を加えたチョコレートです。
日本の規格では、カカオ分21%以上、乳固形分14%以上を満たすものが「ミルクチョコレート」と表示できます。
まろやかな味わいで、子どもから大人まで人気のタイプです。
ホワイトチョコレート
「ホワイトチョコはチョコレートじゃない」と思っている方も多いのではないでしょうか?
実は、ホワイトチョコレートもれっきとしたチョコレートです。
ホワイトチョコが白い理由:
- カカオマス(茶色の部分)を使わない
- カカオバター(淡黄色の油脂)を使う
カカオ豆由来の「カカオバター」を使っているため、チョコレートの仲間として認められています。苦味がなく甘いのが特徴です。
高カカオチョコレートとは?
最近、健康志向で注目されている「高カカオチョコレート」。
カカオ分が70%以上のチョコレートを指します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カカオポリフェノール | 抗酸化作用が高い |
| 苦味 | 強い |
| 糖分 | 少なめ |
| 推奨摂取量 | 1日25g程度 |
期待される効果:
- 抗酸化作用
- 血圧低下
- リラックス効果
ただし、カカオバター(油脂)も多いため、カロリーは普通のチョコとあまり変わりません。食べすぎには注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. カカオ100%はチョコレートと呼べる?
A. 日本の規格では、カカオ分35%以上でチョコレートと呼べます。
カカオ100%の製品は「チョコレート」に分類されます。ただし、砂糖が入っていないため非常に苦く、そのまま食べるのは難しいでしょう。製菓用として使われることが多いです。
Q. なぜホワイトチョコは白いの?
A. カカオマス(茶色の部分)を使わず、カカオバター(淡黄色)だけを使うからです。
チョコレートの茶色は「カカオマス」の色。ホワイトチョコはカカオマスを含まないため、白く仕上がります。
Q. 高カカオチョコレートは本当に健康にいいの?
A. カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、適量なら健康効果が期待できます。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- カロリーは普通のチョコとほぼ同じ
- カフェインが含まれる
- 1日25g程度が推奨量
Q. カカオとココアは同じもの?
A. 原料は同じですが、加工段階が異なります。
- カカオ:植物の名前、または加工前の豆
- ココア:カカオマスからカカオバターを取り除いた粉末
英語では「cacao」と「cocoa」の2種類の表記があり、一般的に加工後のものを「cocoa」と呼ぶことが多いです。
まとめ
この記事では、カカオとチョコレートの違いを解説しました。
覚えておきたい3つのポイント
- カカオは「原料」、チョコレートは「製品」
カカオ豆を加工してできたお菓子がチョコレート - カカオマスが分岐点
カカオバターを「取り除く」→ ココア
カカオバターを「加える」→ チョコレート - ホワイトチョコもチョコレートの仲間
カカオバターを使っているから
子どもに説明するなら?
「カカオはチョコレートの材料になる豆だよ。お米からおにぎりを作るように、カカオ豆からチョコレートを作るんだよ。」
これなら、お子さんにも分かりやすく説明できますね。
次にチョコレートを食べるとき、「これはカカオ豆から作られているんだな」と思い出してみてください。きっと、いつものチョコレートがもっと美味しく感じられるはずです。
参考文献
この記事を書いた人
佐藤 真理子(チョコレートライター)
チョコレートの魅力を分かりやすく伝えるライター。カカオの産地からチョコレートの作り方まで、幅広い知識をもとに記事を執筆。「難しいことを簡単に」をモットーに、初心者にも分かりやすい解説を心がけている。
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