チョコレートが白くなる「ブルーム現象」とは
チョコレートの表面が白く見えたり、斑点状になる現象を「ブルーム現象」と呼びます。
「bloom」は英語で「花が咲く」「粉をふく」という意味。チョコレートの表面に白い粉が吹いたような状態を指します。
ブルーム現象はカビではない
ブルーム現象は、温度や湿度の変化によって起こる化学的な変化です。カビや腐敗ではないため、食べても健康上の問題はありません。
農林水産省も以下のように述べています。
「ブルーム現象が発生したチョコレートは、食べても害はありませんが、本来の味は損なわれてしまいます。」
つまり、白くなったチョコは安全に食べられますが、風味や食感は本来のものとは異なります。
ブルームの2種類|ファットブルームとシュガーブルーム
ブルーム現象には、原因の違いによって2種類あります。

ファットブルーム(脂肪由来)
原因: チョコレートに含まれるココアバター(カカオバター)の結晶変化
ココアバターは28℃前後で溶け始めます。温度が上がってココアバターが溶け出し、その後冷えて固まるときに、表面で白く結晶化するのがファットブルームです。
見た目:
- 白い膜が薄く張ったような状態
- 全体的にうっすらと白っぽい
- 表面がマダラ模様になることも
発生しやすい条件:
- 気温・室温が25〜28℃以上
- 夏場の保存
- 急激な温度変化
- 手作りチョコのテンパリング不良
特徴:
- ドライヤーの熱風で温めると消える(ココアバターが溶けるため)
- 指で触ると結晶が溶ける
- テンパリングで復活可能
シュガーブルーム(砂糖由来)
原因: チョコレート表面の結露による砂糖の再結晶化
冷蔵庫から出したチョコレートを暖かい場所に置くと、表面に結露(水滴)が発生します。この水滴にチョコレート中の砂糖が溶け出し、水分が蒸発すると砂糖が表面で結晶化して白くなります。
見た目:
- 白い斑点がザラザラしている
- 粉砂糖をまぶしたような状態
- 触ると砂利のようにザラつく
発生しやすい条件:
- 10℃以上の急激な温度変化
- 湿度が高い環境
- 冷蔵庫から出してすぐ開封
特徴:
- 温めても消えない(砂糖の結晶のため)
- ザラザラした質感が残る
- テンパリングでは復活不可
ブルーム現象とカビの見分け方
「白くなっているけど、本当にカビじゃないの?」と心配な方のために、見分け方を解説します。
| 項目 | ブルーム現象 | カビ |
|---|---|---|
| 見た目 | 凹凸のない白い斑点・膜 | ふわふわした綿状 |
| 広がり方 | 全体的に均一に広がる | 一箇所に集中 |
| 触感 | サラサラまたはザラザラ | ネバネバすることも |
| 臭い | 異臭なし | カビ臭い |
| 温めると | ファットブルームは消える | 消えない |
確認方法
迷ったら、以下の方法で確認してみましょう。
- ドライヤーの熱風を軽く当てる(2〜3秒程度)
- 白い部分が消えれば → ファットブルーム(食べられる)
- 消えずにザラザラしている → シュガーブルーム(食べられる)
- ふわふわのまま・カビ臭い → カビ(食べない)
白くなったチョコは食べられる?味への影響
結論:食べられる
ブルーム現象が起きたチョコレートは、安全に食べられます。カビや腐敗ではなく、化学的な変化にすぎないからです。
味への影響
ただし、以下のような品質低下が見られます。
- 口どけが悪くなる: なめらかさが失われる
- 食感がパサつく: 本来のしっとり感がない
- 風味が損なわれる: 香りや味が弱くなる
- ザラザラ感: 特にシュガーブルームの場合
「美味しくないけど、食べても問題ない」というのが正確な表現です。
食べない方がいい場合
以下の場合は、食べるのを控えましょう。
- カビの可能性がある: ふわふわした綿状、カビ臭い
- 異臭がする: 酸っぱい臭い、腐敗臭
- 賞味期限を大幅に過ぎている: 数年単位で経過している場合
ブルームを防ぐ正しい保存方法

ブルーム現象を防ぐには、適切な保存が重要です。
基本原則
- 温度: 15〜18℃の冷暗所が理想(22℃以下を維持)
- 湿度: 低湿度(45〜55%)
- 光: 直射日光を避ける
- 急激な温度変化を避ける: これが最も重要
冷蔵庫での保存方法
夏場など室温が高い場合は、冷蔵庫での保存がおすすめです。
- チョコレートをアルミホイルで包む
- ジッパー付き保存袋に入れて密閉
- 野菜室(3〜8℃)で保存(冷蔵室より冷えすぎず、温度が安定)
- においの強い食品から離して保管
食べる前の注意
冷蔵庫から出したチョコレートは、すぐに開封しないことが大切です。
- 袋に入れたまま、涼しい場所に置く
- 15〜30分かけて常温に戻す
- 結露が発生しないことを確認してから開封
急に暖かい場所に出すと、表面に結露が発生し、シュガーブルームの原因になります。
開封後の注意
開封後は、できるだけ早めに食べきるのがベストです。残った場合は、再度密閉して冷暗所へ。
白くなったチョコを復活させる方法
ブルームしてしまったチョコレートは、復活させることができるのでしょうか?
ファットブルームの場合:テンパリングで復活可能
ファットブルームはココアバターの結晶構造の乱れが原因なので、テンパリング(温度調整)をやり直すことで復活できます。
手順(ダークチョコの場合):
- チョコレートを細かく刻む
- 湯煎で50〜55℃に溶かす
- 冷水で27〜29℃まで冷却
- 再び湯煎で31〜32℃に調整
- 型に流して固める
テンパリングが成功すれば、ツヤのある美しいチョコレートに生まれ変わります。
シュガーブルームの場合:復活不可
シュガーブルームは、砂糖がチョコレートから一度離れて再結晶化しているため、テンパリングでは戻りません。
溶かして他の用途に使うのがベストです。
ブルームしたチョコの美味しい活用法
「見た目も食感も悪いけど、捨てるのはもったいない」——そんなときは、溶かして使いましょう。溶かしてしまえば、ブルームの見た目や食感は気になりません。

溶かして飲み物に
- ホットチョコレート: 温めた牛乳に溶かすだけで、濃厚なホットチョコに
- チョコラテ: コーヒーに溶かしてモカ風に
- ココア風ドリンク: ホットミルクに削って入れる
溶かしてディップに
- チョコフォンデュ: イチゴ、バナナ、マシュマロをディップ
- ガナッシュ: 生クリームと混ぜてトリュフの材料に
焼き菓子に使う
溶かして生地に混ぜれば、見た目も食感も問題なし。
- ブラウニー
- ガトーショコラ
- チョコチップクッキー
- チョコマフィン
- パウンドケーキ
トッピングに使う
削ったり砕いたりしてトッピングに。
- バニラアイスに削ってかける
- ヨーグルトにトッピング
- パンケーキの飾り付けに
よくある質問(FAQ)
Q: 賞味期限内なのに白くなったのはなぜ?
A: 賞味期限は「適切な保存環境での品質保持の目安」です。保存環境(温度変化、湿度)が悪ければ、期限内でもブルームは発生します。
Q: 冷蔵庫に入れていたのに白くなった
A: 冷蔵庫から出した際の急激な温度変化が原因と考えられます。冷たいチョコを暖かい場所に出すと結露が発生し、シュガーブルームが起きます。取り出す際は、袋のまま常温に戻してから開封しましょう。
Q: 白いチョコを子供に食べさせても大丈夫?
A: ブルーム現象であれば安全です。ただし、カビでないことを確認してから与えてください。ふわふわした綿状のもの、カビ臭がする場合は避けましょう。
Q: ブルームは何回でも発生しますか?
A: はい、何度でも発生します。一度復活させたチョコレートでも、保存環境が悪ければ再びブルームが起きます。適切な保存を心がけましょう。
Q: 手作りチョコがすぐ白くなるのはなぜ?
A: 手作りチョコの場合、テンパリング不足が原因のことが多いです。市販のチョコを溶かしてそのまま固めると、ブルームが発生しやすくなります。
まとめ
チョコレートが白くなる「ブルーム現象」について、ポイントをまとめます。
- ブルームはカビではない: 安全に食べられる(ただし風味は落ちる)
- 2種類ある: ファットブルーム(脂肪由来)とシュガーブルーム(砂糖由来)
- カビとの見分け方: 温めて消えればブルーム、ふわふわ・カビ臭ならカビ
- 復活方法: ファットブルームはテンパリングで復活可能
- 予防策: 15〜18℃の冷暗所保存、急激な温度変化を避ける
- 活用法: 溶かしてホットチョコや焼き菓子に
白くなったチョコレートを見つけても、すぐに捨てないでください。ブルーム現象であれば、工夫次第で美味しく活用できます。正しい保存方法を知って、チョコレートを最後まで美味しく楽しみましょう。

この記事を書いた人
佐藤 真理子(チョコレートライター)
製菓業界での勤務経験を活かし、チョコレートの魅力を分かりやすく伝える記事を執筆。特に海外ブランドや最新トレンドに詳しく、年間200種類以上のチョコレートをテイスティング。
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