世界で一番チョコレートを愛している国はどこだと思いますか?

答えはスイスです。スイス人は一人当たり年間約10kgのチョコレートを食べています。日本人の約4〜5倍という驚きの量です。

この記事では、世界のチョコレート消費量ランキングTOP10をご紹介するだけでなく、なぜスイスがチョコレート王国になったのか、その歴史と、日本が18位である本当の理由もお伝えします。

読み終わる頃には、「チョコレートについて詳しい人」として、友人との会話で一目置かれる知識が身についているはずです。

この記事を書いた人

佐藤 真理子(チョコレートライター)

50カ国以上のチョコレートを食べ歩き、年間300種以上の新作チョコをテイスティング。「難しい話は抜きにして、チョコの世界を一緒に楽しみましょう」がモットー。

世界のチョコレート消費量ランキングTOP10

まずは、世界で最もチョコレートを食べている国TOP10を見てみましょう。

日本チョコレート・ココア協会が公開しているICA・CAOBISCO(国際菓子協会・欧州製菓協会)の統計データによると、一人当たりの年間チョコレート消費量ランキングは以下のとおりです。

順位国名年間消費量(kg/人)板チョコ換算(50g)
1位スイス9.8約196枚
2位ドイツ9.0約180枚
3位エストニア8.4約168枚
4位イギリス7.9約158枚
5位フィンランド7.8約156枚
6位ノルウェー7.6約152枚
7位スウェーデン7.4約148枚
8位ベルギー6.8約136枚
9位アイルランド6.7約134枚
10位オーストリア6.5約130枚

出典: 日本チョコレート・ココア協会 統計資料(2019年データ)

驚くべきことに、TOP10すべてがヨーロッパの国です。

1位のスイスは、一人当たり年間9.8kg。板チョコ(50g)に換算すると、なんと約196枚。2日に1枚以上のペースでチョコレートを食べている計算になります。

一方、日本人の年間チョコレート消費量は約2kgです。スイス人の約5分の1しかチョコレートを食べていないことになります。

なぜスイスが世界一なのか?「チョコレート革命」の歴史

スイスがチョコレート消費量世界一であることには、明確な理由があります。

19世紀のスイスで、チョコレートの歴史を変える「チョコレート革命」が起きたのです。

スイスで生まれた2つの大発明

チョコレートにおける「四大発明」のうち、2つがスイスで誕生しました。

1. ミルクチョコレートの発明(1875年)

ダニエル・ペーターというスイスの菓子職人が、世界で初めてミルクチョコレートの製品化に成功しました。

このとき彼が使ったのが、隣人だったアンリ・ネスレの練乳(コンデンスミルク)です。そう、あの世界的食品企業「ネスレ」の創業者との協力によって、ミルクチョコレートは誕生したのです。

ミルクチョコレートは、それまでの苦いチョコレートとは異なり、まろやかで甘い味わいが特徴です。この発明により、チョコレートは子どもから大人まで幅広い層に愛されるお菓子へと進化しました。

2. コンチェ製法の発明(1879年)

ロドルフ・リンツは、コンチェと呼ばれる攪拌機を発明しました。

コンチェとは、チョコレートを長時間練り上げる機械のことです。コンチェで練り上げることで、チョコレートの粒子が非常に細かくなり、舌にざらつきを感じない、なめらかな口溶けが実現しました。

現代のチョコレートが持つ「とろける食感」は、このコンチェ製法のおかげなのです。

年代発明者発明内容チョコレートへの影響
1819年フランソワ・ルイ・カイエスイス初のチョコレート工場産業化の幕開け
1826年フィリップ・スシャールメランジャー(攪拌機)なめらかなペースト製造
1875年ダニエル・ペーターミルクチョコレート世界中で大ヒット
1879年ロドルフ・リンツコンチェ製法とろける口溶けを実現

出典: 明治 Hello, Chocolateswissinfo.ch

専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: スイスのチョコレートを食べる機会があれば、ぜひ「口溶け」に注目してみてください。

私がスイスで初めてミルクチョコレートを食べた時、その口溶けに衝撃を受けました。帰国後に調べてみると、その滑らかさには150年の技術革新が詰まっていたんです。「なぜこんなに美味しいのか」を知ってから食べると、同じチョコレートでも味わい方が変わりますよ。

ヨーロッパが上位を独占する3つの理由

ランキングを見ると、TOP12までがすべてヨーロッパの国で占められています。

ヨーロッパでチョコレート消費量が多い理由は、主に3つあります。

理由1:数世紀にわたるチョコレート文化の蓄積

ヨーロッパでは、16世紀にアメリカ大陸からカカオがもたらされて以来、約500年にわたるチョコレート文化の歴史があります。

当初は王族や貴族だけが楽しむ高級品でしたが、産業革命とともに一般市民にも広まりました。チョコレートは「特別なお菓子」ではなく、日常の食文化の一部として定着しています。

理由2:寒冷な気候がチョコレートに適している

ヨーロッパの多くの国は、日本と比べて気温が低く、湿度も低い傾向にあります。

チョコレートは高温多湿に弱い食べ物です。ヨーロッパの寒冷で乾燥した気候は、チョコレートが溶けにくく、保存しやすいという物理的なメリットがあります。

年間を通じてチョコレートを気軽に楽しめる環境が、高い消費量につながっています。

理由3:世界的なチョコレートメーカーの存在

スイスにはリンツ&シュプリングリ、バリーカレボー、ネスレ。ベルギーにはゴディバやノイハウス。ドイツにはリッター。

ヨーロッパには世界を代表するチョコレートメーカーが集中しています。これらの企業による長年のマーケティング活動が、国民のチョコレート消費を後押ししてきました。

日本は何位?チョコ消費量が低い意外な理由

さて、気になる日本の順位です。

日本の一人当たりチョコレート年間消費量は約2kg。世界ランキングでは18位です。

チョコレートが大好きな私としては、正直少し悔しい順位です。でも、日本のチョコレート消費量が相対的に低いのには、ちゃんとした理由があります。

理由1:和菓子という日本独自のスイーツ文化

日本には、和菓子という素晴らしいデザート文化が根強く存在します。

羊羹、大福、どら焼き、おまんじゅう。日本人には、チョコレート以外にも豊富なスイーツの選択肢があります。しかも和菓子は、チョコレートと比べて軽い食感でヘルシーなものが多いのも特徴です。

理由2:高温多湿の気候

日本の夏は高温多湿です。チョコレートは暑さに弱く、溶けやすいため、夏場は消費が落ち込む傾向があります。

一方、ヨーロッパの涼しい気候では、年間を通じてチョコレートを楽しむことができます。気候条件の違いが、消費量の差に表れているのです。

理由3:バレンタインデーへの消費集中

日本のチョコレート消費には、独特のパターンがあります。

総務省の家計調査によると、日本の月別チョコレート支出金額はバレンタインデーがある2月が突出して高く、通常月の約3倍にもなります。

時期月間支出金額備考
2月(バレンタイン)約1,376円通常月の約3倍
月間平均約488円

日本では、チョコレートは「日常的に食べるもの」というより、「特別なイベントで贈るもの」という位置づけが強いのです。

専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 日本のバレンタイン文化は、世界的に見ても非常にユニークです。

海外のチョコレート関係者に「日本では女性から男性にチョコを贈る」と話すと、とても驚かれます。「義理チョコ」「友チョコ」「自分チョコ」といった日本独自の進化は、むしろチョコレート文化の豊かさの表れだと私は思います。

よくある質問(FAQ)

Q1. チョコレートの「消費量」と「製造量」は違うのですか?

はい、大きく異なります。

カカオを栽培している国(コートジボワール、ガーナなど)は、世界のカカオ豆の約70%を生産していますが、チョコレートの消費量は非常に少ないです。一方、スイスやベルギーはカカオを栽培していませんが、消費量は世界トップクラスです。

「作る国」と「食べる国」は一致していないのです。

Q2. アジアで一番チョコを食べる国はどこですか?

アジア圏で最もチョコレート消費量が多いのは日本です。

世界ランキングでは18位ですが、アジアの中ではトップの消費量を誇ります。韓国、中国と比べても、日本人のチョコレート消費量は多い傾向にあります。

Q3. スイスとベルギー、どちらが「チョコの国」ですか?

どちらも「チョコレート大国」ですが、特徴が異なります。

スイスは、ミルクチョコレートとコンチェ製法を発明した「技術革新の国」です。なめらかな口溶けのミルクチョコレートが特徴です。

ベルギーは、「プラリネ(ナッツペーストを使った詰め物)」を発明した「ボンボンショコラの国」です。一粒一粒が芸術品のような詰め合わせチョコレートが有名です。

Q4. チョコレートの世界消費量は増えていますか?

はい、増加傾向にあります。

特に中国やインドなど、経済成長著しいアジアの国々での消費が伸びています。世界全体のチョコレート市場は、今後も成長が続くと予測されています。

まとめ

この記事では、世界のチョコレート消費量ランキングと、その背景にある歴史や文化を解説しました。

覚えておきたい3つのポイント:

  1. 世界で最もチョコを食べる国はスイス(一人当たり年間約10kg、日本人の約5倍)
  2. スイスの優位性は19世紀の技術革新にある(ミルクチョコレートとコンチェ製法の発明)
  3. 日本は18位だが、バレンタイン文化という独自の進化がある

チョコレートの世界は、知れば知るほど奥深いものです。

次にチョコレートを食べるとき、「このミルクチョコレートは150年前のスイスで発明されたんだ」と思い出してみてください。きっと、いつもより美味しく感じられるはずです。

これであなたもチョコレート通の仲間入り。ぜひ友人との会話で披露してみてくださいね。

参考文献

この記事で紹介したアイテム

※ 以下はアフィリエイトリンクです

アイテム用途Amazon楽天Yahoo
チョコレート保存容器湿気を防ぐ密閉容器検索検索検索
シリカゲル湿気対策に検索検索検索
ゴディバ チョコレートベルギー王室御用達検索検索検索
リンツ リンドールとろけるチョコレート検索検索検索
Bean to Barチョコカカオ豆から一貫製造検索検索検索